本日からは、2泊3日の大阪旅で出会ったラーメン屋を、一軒ずつ紹介していこうと思う。
第一弾はこちら。『金龍ラーメン』。
なんば・道頓堀エリアに5店舗を構える、大阪を代表するあっさり系豚骨ラーメンの名店だ。

ノスタルジックな佇まいと看板に、つい足が止まった。
予定にはなかった店だが、こういう「呼ばれた感じ」のする店は、だいたい当たりだと相場が決まっている。

メニューは「ラーメン」と「チャーシューメン」の二択のみ。
今回は王道の「ラーメン」をプッシュした。
食券を買い、店員さんに渡し、番号札を受け取り、着席。
……と思ったら、各席が小さなちゃぶ台と畳になっていて、思わず二度見した。

ラーメンという「和」の食文化だけでなく、
靴を脱ぎ、あぐらをかき、卓を囲むという日本式のスタイルまで体験できる。
外国人観光客にとっては、たまらないポイントだろう。
さらに驚いたのが、「ライス・ニラ・キムチ・ニンニクが、全て無料でおかわり自由」というシステム。

たった900円のラーメン一杯で、ここまでしてもらっていいのか。
これが商売の街、大阪のコスパか。
紙皿にライスとキムチをよそっていると、待つことわずか5分。
ラーメンが提供された。

シンプルな豚骨ラーメンの見た目に、どこか懐かしさを感じるやさしい香り。
初めて来たはずなのに、なぜか「おかえり」と言われている気分になる。
まずはスープを一口。
……旨い。
豚骨とは思えないほどサラッとした、ライトな口当たり。
クセも重たさもなく、ゴクゴク飲めてしまいそうなのに、豚骨の旨味はしっかり主張してくる。
あっさりなのに、ちゃんと旨い。これが金龍ラーメンのスープか。
麺は、ズズッと啜りやすい中細ストレート。
柔らかめの麺がスープと絶妙に絡む。
老若男女、誰が食べても好きになる味だと断言できる。
そして何より嬉しかったのが、チャーシュー。
四枚も載っていて、しかも厚切り。
頼んだのはチャーシューメンではない。ただの「ラーメン」、900円である。
それでいて、ライスもキムチも食べ放題。
私が店主なら、トッピングを極限まで削り、チャーシューも紙のように薄くスライスして、利益を確保しようとするはずだ。
でも、この店にそんなケチくさい魂胆は、一切存在しなかった。
遠慮なく、キムチとチャーシューをライスに乗せ、スープをかけて、かき込む。
……これが900円でいいのか。本当に。
このあとも食べる予定がぎっしり詰まった大阪旅行だというのに、気づけば箸が止まらない。
ライスを二杯おかわりし、スープまで飲み干し、大満足で完食。
馳走さまでした。

大阪の懐の深さと、人情のあたたかさを感じる、どこか懐かしい一杯だった。
ただの食事ではない。これはもう、「体験」だ。
そして思う。900円でここまで満たされるなら、人生、もう少し気楽に生きてもいいんじゃないか。
明日も、ちゃんと頑張れる気がした店だった。